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歯根破折に自然治癒はありません

歯根破折に自然治癒はありません

歯根が破折した場合(「ヒビ」でも「モナカのようにぱかっと」割れても歯根破折という診断になります)放置しておくとどうなるかを以前お話しいたしました。

体の中で、自己修復能力のない数少ない組織の一つが「歯牙」です。骨が折れたら=骨折したら、「石こう=ギプス」を巻いておくだけで自然に治癒します。これは自己修復能力があるからです。しかし「歯牙」にはこのような能力がありません。ヒビを通じて歯茎の下に入った唾液とともに大量の口腔内の菌が入ってきますので、

  1. 歯根周辺の骨の吸収が始まり、歯茎の腫れが起こります。さらに炎症を起こした組織が膿を作り
  2. 臭い=口臭がします。
  3. 「ニキビ」のような「サイナストラクト=膿の出口」ができれば、内圧が上がりませんので、歯周組織への圧迫はありません。したがって、「神経を取ってしまった歯牙」の歯根破折で痛みは出ません。放置している患者様が多いのはこのためです。
  4. 経過観察していても、細菌が原因の炎症状態ですので、免疫が下がれば、腫れます。体調が優れれば、腫れは引いて「治った」かのような状態になります。

決して、歯根破折は自然治癒しません。「経過観察=様子を見ましょう」と言われても治ることはなく、ほっておけば、免疫が下がるたびに腫れて歯牙をサポートしている「骨」がなくなります。

可及的に専門医の診断、治療を受けることをお勧めします。

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